【ポイントは問診】国家1級自動車整備士の故障診断方法のコツ

自動車整備士職

こんにちは♪
自動車業界歴15年以上の国家1級自動車整備士です。

自動車も長い間使用したりたくさん走ると故障も増えてくる。
明らかに壊れていれば基本的に修理はたやすいが不具合現象がたまにしか出ないような故障もある。

実際に不具合さえ出ていれば基本的に部品を特定して修理すことができる!

しかし、たまにしか出ない不具合については難易度が急激に上がる。
最悪部品の特定ができず迷宮入りすることさえある・・・
それをいかに早く正確に修理する事が自動車整備士の醍醐味である!

では不具合現象がたまにしか出ない故障の場合自動車整備工場ではどのようにして直していくのか説明していく!


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再現は故障診断の第一歩

再現性が低い不具合を修理する場合は、まずお客様から指摘された不具合をなんとか再現しないと話になりません!
なぜなら不具合が発生していなければ現状は至って正常ということになる!
正常な状態でいくら点検しようが永遠に不具合を見つけることはできない!

そんな場合いったいどのように対応していくのでしょうか?

答えは簡単です!

お客様の指摘している再現性が低い不具合をなんとか再現することです!

 

 

さっきも言いましたね(゜o゜)
ではどのようにして再現させていくのでしょうか?


まずは徹底的に問診をする!

とにかく再現しなければその先の故障診断に進みません!
ですのでお客様に再現した時の状況を徹底的に問診するのです!
質問内容はご用命内容によって異なりますが基本的にはお客様が車を使用していた状況を質問していきます。

  • どのような症状だったのか?
  • いつ発生したのか?
  • 何処で発生したのか?
  • 天気や気温は?
  • 走行状態は?
  • 道路状況や路面状況は?
  • 操作状況は?
  • 発生回数は?

まだまだ足りませんがこんな内容を聞いていきます。

コツはお客様が車を使用していた状況がハッキリと頭の中で映像化できるくらいに問診してイメージを膨らませることです。

頭の中でイメージ化できていない状態というのは問診内容が足りないということです!

 

 

複数回不具合が発生していた場合は同じような内容の質問を発生した回数分行うとよい。
なぜなら不具合が発生した時の共通点が見つかるかもしてないから。

 

[例]
雨の日しか出ない不具合ならば雨漏れの可能性が高かったり、段差で発生しやすいなら振動による要因で発生している可能性が高い。

そうすれば水をボデーに水をかけて再現させたり、部品を揺すったり振動させたりして再現させる等無駄に何時間も走行しなくても再現させることができるかもしれない!

問診をしっかり行う事によって次の段階の「再現する」という工程でスムーズに不具合を再現することができる。

 

 


問診をする時に気を付ける事とは?

お客様から車が壊れたと不具合の指摘があったとしても本当に車が壊れているとは限らない!

正常作動を不具合として感じてしまっていたり、要求レベルが高すぎて正常なのに不具合と指摘してくるケースもある。

不具合のご用命を受けたからと言って「絶対に車が故障している」と思い込んではいけない!

環境や使い方車のそもそもの機能だったり

幅広い知識と考えで先入観なく対応することが重要である!

 

本当に車に不具合が発生しているが再現性低い場合の注意事項はどういったものがあるか?

問診をするということは大前提として車に不具合が発生した事がありお客様は車に不信感を抱いている。
要は負の感情である。
人によっては怒っていたり、イライラしていたりと様々です。
これは何百万円もの高価な買い物をしてそれが壊れれば仕方のないことです。
しかも車とは生活に欠かせない道具で、事故は命にかかわってくる。

来店早々怒鳴られた事も1度や2度ではない。

そんな時でも問診は必要です!

しっかりお客様の申し出を正確に確認して確実に原因を特定し、適切な対応をするのが大切です!

では、そんな時どうやって問診していくといいのでしょうか?

 


お客様が怒っている時の問診方法とは?

まだ不具合を確認できていない以上不具合に対して謝ってはいけない

「このような不具合でご迷惑をかけて申し訳ありません」のような誤り方はNGです。

 

「このような不具合が発生してしまったようでご不安な気持ちにさせてしまい申し訳ありません」のような言い方をおすすめします。

 


要は不具合を確認できていない以上、車が故障しているとは限らないからだ

不具合が発生した事があってもお客様の使い方、改造が影響している可能性もあるからだ。

 

しっかりとお客様の不安な気持ちに対して誠意をもって謝罪しましょう。

 


その上で、今は確認できないご用命は再現させないと改善することができないとご理解いただき、再現させるためにお時間いただいてお客様から問診の協力を真摯にお願いしよう。

しっかりとした問診ができれば後はひたすら再現させる作業

何時間も何日も再現しない不具合が問診をしっかり行う事で10分で終わることだってあります。

意図的に再現させることで、点検もしっかりできるし修理した場合に確実に直ったかの確認ができる。
再現させることができなければ修理しても直ったかの確認ができず再発の不安が残るりますよね?

 

よくこの業界では作業が速い事が仕事のできる整備士というが、本当にできる整備士はしっかりとした問診ができる整備士だと思います!

 

上手な問診こそが自動車整備士スキルで最も重要!

自動車整備士は黙々と車を修理しているや、やんちゃでとにかく機械いじりが好きみたいなイメージありませんか?
完全にドラマの見過ぎですね(゜o゜)

自動車整備士に必要な3つの要素

①コミュニケーション能力
②故障診断能力
③気配り能力

僕はこの3つが重要だと考えています。

①コミュニケーション能力

自動車整備士は口下手で一人で黙々と作業をするイメージが強いのか目指す人も口下手な人の割合が多い気がしています。(もしくはヤンチャ)

今回の内容でいうと問診下手な人メッチャ多いです!

問診を聞く項目を事務的に1つ1つ確認していけばいいのでは?

残念ながら最悪の問診です!

お客様からいかに情報を引き出すのかが重要な問診では事務的に問診していても網羅性のあるほしい情報は得られません。
問診の中からいろいろな可能性を確認していきご用命に関連性のある要因だと判断した内容をさらに細かく引き出していく感じです。

事務的な問診はもはや尋問!
「ここは警察か!?」ってならないようにしましょう。
問診がとっても苦手な後輩がこう怒られてたっけな・・・

お客様から積極的にどんどん話してもらう。
そんな問診ができたら最高ですね!

②故障診断能力

この記事の内容から脱線しますが故障診断能力は超重要です!
ここでは原因を理論立てて考える力の事を言っています。
知識や経験は数をこなせば身についてきます。

簡単に言うと原因を理屈っぽく説明できる人です。

お客様に理屈っぽく説明するのではありませんよ!

「これダメっぽいよな」「可能性ありそうだよな」ではなく「ここがこうなると、こうなってお客様の指摘と同じ現象が発生する」こんな考え方です!

思考が停止した整備士はいくら作業が早くてもレベルアップできませんよ。

③気配り能力

いくら上手に問診できても気配りができないとお客様怒っちゃいます。
そもそも現象が発生していないので問診に力を入れる。
この行為自体がお客様にストレスを与えます。

本当にあの時の症状は不具合なのか?自分の勘違いではないか?ここまで対応してもらってるのになんか申し訳なく思えてくる。

しまいには「俺は嘘なんかついていない!」

気配りができていないといくら頑張っていてもお客様を追い込んでいく形になってしまいます。
相手の表情や口調で感じましょう!
しっかり気配りをして対応すれば故障に対し不満に思っていたお客様も最後にはこんなにしっかり一生懸命対応してもらって「ありがとう」という言葉をかけてくれたりします。

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まとめ

整備士のみなさん、問診の重要性理解していただけました?
問診もろくにしていないのに現象確認に1時間も走行確認に行って再現しませんでした。
少し様子を見てください。
このような対応が多くなってしまう人、危険です。
初めはお客様も再現しないならしょうがないと感じて納得はしてくれます。
しかしあくまでも初めだけです!

今自動車整備士にはお客様対応力も求められます。
ほとんどの会社では「メカニック」ではなく「サービスエンジニア」と呼んでいます。
昔みたいなひたすら作業さえしていればよかった時代ではありません。
これからさらにお客様との対応能力が求められる時代になってくるはずですよ。

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