こんにちは♪
自動車業界歴15年以上の国家1級自動車整備士です。
自動車の補機バッテリーを交換した際に明らかに高額な見積もりをもらったことはないでしょうか?
そんな高額な見積もりを出されたことがある方は、もしかしたらぼったくりの被害者かもしれません。
原因はアイドリングストップ車用の高額なバッテリーを通常のバッテリーでいい車に使用してしまう!
ボッタクリという言葉で表現しましたが、今回の説明の内容については故意に行っているケースと販売者の知識不足で行われているケースがあるので、そもそも見積もりを出している側が気付いていないかもしれません。
車に乗っている方は少しでも維持費を安くしたいですよね?
安くしたいのであれば是非確認してみてください!
自動車のバッテリーには規格がある
自動車のバッテリーにはJIS規格とEN規格がある。
この規格の違いを簡単に言うと、JIS規格とは日本の規格で、EN規格はヨーロッパ規格で近年日本でも搭載されてきている。
JIS規格・・・バッテリーの上の面が平らで全体の形状は直方体となっている。
+と-の端子が上の平らな面から突き出ている
EN規格・・・バッテリーの上の面が平らでなく、くぼんでいる部分がありそこから+と-の端子が突出している。
自分の車がJIS規格かは上記の内容をふまえてバッテリーを見ればすぐにわかります。
今回皆さんに気を付けていただきたいのは日本で多く使用されているJIS規格のバッテリーについてです。
実はJIS規格にも種類があった!
実はJIS規格の中にも種類があります。
通常の自動車補機バッテリーとアイドリングストップ車用の補機バッテリーです。
アイドリングストップ車の補機バッテリーに求められる性能としては、高い耐久性とクイックチャージ性です。
なぜこのような機能が必要になってくるのか?
アイドリングストップ車とはアイドリング時にエンジンを止めて信号待ち等での無駄な燃料消費を無くし燃費を良くし、環境にも優しい自動車です。
本来、自動車はエンジンの動力をもとに発電して、ヘッドライトやオーディオ等の電装品を動かしながら、バッテリーにも充電を行っています。
アイドリングストップ車は、信号待ち等でアイドリングストップ中はエンジンの動力での発電が行われずバッテリーに充電することができません。それどころか、自動車の電装品を起動しておくためにどんどん放電してしまいます。
すなわち、アイドリングストップ車はバッテリーにしてみれば非常に負担が大きいといえます。
そこでアイドリングストップ車はその負担に耐えられるように性能の高い専用バッテリーが必要となります。
性能が高いということはそれだけ高額となります。
バッテリーの価格の違いはおおよそ通常のバッテリーに比べて約1.5倍位高額になると思います。
なぜ通常のバッテリーを搭載している車に高額のアイドリングストップ車用のバッテリーを取り換えしてしまうのか?
原因と理由
主にこの3つが原因と思われます
【販売者の知識不足】
まずは販売者の知識不足です。
このケースに該当した人はかわいそうとしか言えません。
自動車の種類や年式によっては車のグレードによって、アイドリングストップ車と通常車(アイドリングストップ機能の無い車)と別れていた。
現在新しい車のガソリン車には、ほぼ標準でアイドリングストップ機能がついているので心配はあまり無いと思う。
グレードで別れていた車については、バッテリーの適合表や自動車屋で使用している品番を検索するシステムで、通常車でもアイドリングストップ車用のバッテリーが選ばれてしまうことがある。
そういった状況で知識不足のスタッフに対応されると高額なアイドリングストップ車用バッテリーをすすめられてしまうことになる。
【在庫状況】
これは運が悪い。
バッテリー上がりなどで至急補機バッテリーを取り換えしなければいけないがたまたまその自動車屋が在庫を切らしていてアイドリングストップ車用の高額バッテリーしか置いていなかった。
車はすぐに使いたいし高額だがあきらめて支払いを・・・といったケース。
あまりないケースだと思いますが、頼めばそこら辺の自動車用品の量販店や部品屋ですぐに手に入ったのに。
【良かれと思って】
通常車用バッテリーをアイドリングストップ車にはつけてはいけません。
アイドリングストップシステムが正常に作動しなくなる恐れがあるからです。
しかし、アイドリングストップ車用のバッテリーを通常車に取り付けはできます!という商品はあります。
高性能になって始動性がよくなったり少し長持ちするかもしれません。
ですので、高額な高性能バッテリーを良かれと思ってとすすめられるかもしれません。
私個人的には通常車には普通のバッテリーを、アイドリングストップ車にはアイドリングストップ用のバッテリーをおすすめします。
なんたって値段が全然違うから!
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